最近よく聞く重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは?
2025.06.27
◆ 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは?
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、マダニが媒介するウイルス性の感染症で、犬や猫、人にも感染することがある「人獣共通感染症」です。特に野外に行き来する猫や、散歩中に草むらに入ることの多い犬では注意が必要です。
◆ 病原体と感染経路
SFTSウイルスは「マダニ」によって媒介されます。感染しているマダニに咬まれることで体内にウイルスが侵入します。猫や犬が感染するだけでなく、感染した動物から人に感染するため非常に注意が必要です。
最近ではSFTSに感染した猫を診察した獣医師や飼い主の死亡が報告されています。
◆ 主な症状
犬や猫が感染した場合、以下のような症状がみられることがあります:
- 発熱
- 食欲不振
- 嘔吐・下痢
- 元気消失
- 黄疸や出血傾向(重症例)
致死率は猫で60%、犬で40%、人で10~30%に上る恐ろしい病気です。
特に猫では重症化しやすいとされています。
◆ 治療と予防
現在、SFTSウイルスに対する特効薬やワクチンは存在しません。そのため、早期の発見と対症療法が重要です。
最も有効な予防策は、マダニに咬まれないようにすることです。
【予防のポイント】
- 草むらや山林への接触をできるだけ避ける
- マダニ予防薬(スポットタイプや内服薬など)の定期使用
- 外から帰ったあとの体チェック
- 野良猫や野生動物との接触を避ける
予防薬には飲み薬・スポットタイプなど様々な種類があります。
こいずみ動物病院では、体調やライフスタイルに合わせた予防薬をご提案しておりますのでお気軽にご相談ください。
◆ 飼い主のみなさまへ
SFTSは動物だけでなく人にも感染する非常に危険な「人獣共通感染症」です。感染することで自分や他の家族の命の危険もあるため、マダニ予防をしていない場合はぜひするようにしてください。
埼玉県川口市・蕨市のこいずみ動物病院 川口
048-483-4517